[ カネボウ粉飾シリーズ ] 2005/10/26(水)
カネボウの粉飾決算等で表面化している監査法人の粉飾体質に対して、金融庁は監査法人への立ち入り検査や、監査人の同一企業への監査の継続期間を7年から5年に短縮すると発表。
監査の目的は、投資者保護です。企業に投資をしようという人は、企業の財政状態や経営成績等の現れである損益計算書や貸借対照表を見て、投資すべきかを考えます。損益計算書や貸借対照表は企業外部の人間がその企業の状態を客観的にみることのできるものです。もし、その表示に嘘があればそれを見て判断し、投資した人は、予想外の損害を被ることになります。そういうことが起こると、誰も投資をしなくなってしまいます。そうなると、各企業が資金の調達をすることができなくなり、経済は停滞もしくは失墜してしまいます。
このような状態に陥らないためにも、財務諸表は信頼のおけるものでなくてはなりません。
そこで第3者である監査人が財務諸表を監査することにより信頼性を向上させよう、投資者が安心して利用できるデータにしようとするのです。
しかし、その一方で企業の経営者は自分の会社の状態が悪いことを隠したがります。(この時点で経営者失格ですけどね。)自分の会社の状態を良く見せたいと思うのです。企業の状態がよくないということを公表すれば、投資家達の投資もあまり期待できなくなり、資金調達が難しくなってしまい、株価も下落してしまいます。また、業績が悪化していることの責任を取らされて、経営者の椅子をはずされることも考えられます。だったら、唯一外部に公表する企業データの損益計算書や貸借対照表上では利益を出ているように見せかけて、来年度頑張って帳尻を合わせてしまえ、と考えるのです。
これが粉飾の始まりです。
そして粉飾決算の財務諸表を作るのですが、その財務諸表は監査人から承認を得ないといけません。といったところで監査人を抱きこんだ粉飾決算が始まるのです。
ということは監査人には、その企業と癒着していないよということを世間が認める必要があります。そうしないと監査人自体の信頼を得ることは出来ません。
そんなこんなでいろいろ規則があるのですが、担当期間が長いと良くも悪くも経営者と監査人が仲良しになってしまい、よからぬことを考えるようになる可能性が高いのでそれを短くしようということで、継続して同一の監査人が同一の企業の監査をできる期間を5年にしようと決めたわけです。
そういう形式的な部分での規制も大事ですが、経営者、監査人双方の意識の高さが求められると思います。嘘をつかない人間を育てること、自分に負けない人間を育てることが、非常に重要ですね。お金や、権威の魅力に負けてしまい嘘をつき始めると、一生嘘をついて生きることになります。又、嘘はどこかでツジツマが合わなくなるものです。そうなるとまた嘘をつかなければならない。
カネボウも1970年代からずっと粉飾気味だったようですので、30年も社会を欺いて一般消費者等からも収入を得ていたと思うと大犯罪だと思います。
より心の強い監査人を育てることを金融庁は第一に考えないといけませんね。
[ カネボウ粉飾シリーズ ] 2005/10/03(月)
1970年頃から継続的に行われてきたようです。というか、一度やったら、その後もやらざるを得ないですね。そうしないとつじつまがあわなくなってきますので。永遠に粉飾を続けるか、今回のように発覚するかの2つの選択肢しか残されていなかったですね。
いいこととは言えませんが、今回の逮捕された方々も被害者なのかもしれません。担当を引き継いだときにはすでに粉飾が伝統的に行われていて、会社を守るために心を痛めて粉飾決算をしていたのかもしれません。ひょっとすると、中央青山上層部の命令があったのかもしれません。今はその呪縛から解放された気分かもしれませんね。
個々の責任は当然にありますが、やはり、会社としてのチェック機能が甘かったということですね。これを内部統制と呼びますが、内部統制をしっかり組みなさいと指導している監査法人側の内部統制がなっていないことの証明だと思います。会社として、そういう体質の会社とは取引をやめる判断が下せなければ、今後も監査法人の犠牲者が出てくるはずです。
当然経営者にも問題が大いにあります。粉飾を指示して20年以上も一般投資者及び、利害関係者を騙して金を搾取してきたのですから。最初に粉飾をするかどうか悩んだような状態の時にしっかりと自社の将来を見つめて、再建させることを選ばなかった経営者の資質の問題でもあります。というかそれが発端になっているのも事実ですしね。
会社は経営者のものではありません。現代ではもっと社会的な存在意義が高いのではないでしょうか。日本を良くする、世界を良くするために、目先の利益に囚われず、大きな視点で正々堂々戦える人必要ですね。
[ カネボウ粉飾シリーズ ] 2005/09/30(金)
[ カネボウ粉飾シリーズ ] 2005/09/22(木)
今回はその報告書に対して、適正である旨の意見を表明したことが問題なわけです。
会社側としては、適正意見を表明された、有価証券報告書を提出しなければ、世の中から、いい加減な会社と思われ、信用が失墜してしまうことになります。また上場企業であれば、上場廃止です。
企業の活動は半永久的に続きます。その状態を財務諸表で期間を区切って表示するのですから、当然、今期の決算書の内容は来期に引き継がれていきます。従って一度どこかで嘘をつくとその後もずっとつじつまを合わせるために嘘をつき続けなくてはなりません。
そもそも、赤字である現実を受け入れることの出来ていない経営者が経営を立て直すことなど到底無理だと思います。粉飾決算をするということは、現実から目を逸らし、経営努力を放棄したようなものではないでしょうか?粉飾決算をしたところで、実質的には何一つ解決していません。テストでカンニングして100点とったようなものです。経営者が数字による恐怖が大きいこともあるとは思いますが、それに耐えてこそやりがいもあるのではと思います。
それを是認してしまう会計士は様々な事情があれども、職業的にもっと問題だとは思いますが・・・。
警察や、裁判官と同じく、会計士も独立の立場をいかにして確保するのかということが最も難しい問題です。人と金が動く場所に信頼性をもたせるというのは本当に難しい。
[ カネボウ粉飾シリーズ ] 2005/09/20(火)
中央青山監査法人はかなり大変な状況になってきました。
パッとみると、中央青山監査法人が粉飾決算を見逃したからしょうがないと思う方が多いと思いますが、全てが監査人の責任ではありません。
そもそも監査とは、公認会計士、もしくは監査法人が、貸借対照表や損益計算書等にその情報を利用した人が勘違いしてしまい損をするような誤りや嘘が含まれていないかを調べます。その際、膨大な取引の量を一定期間内に調べる必要が出てきます。しかし、それは物理的に不可能です。じゃあどうするのか?
必要と思われる部分に絞って調べるのです。
よって、監査人がこの財務諸表は適正である。としても、そこに全く間違いがございません。と言っている訳ではありません。
監査人も人ですので当然ミスもあります。重要なことは監査人が当然に行わなければならないことをちゃんと怠らずに履行したのかということです。監査人の責任はここにあります。
つまり、ちゃんと監査をやりましたよ。ということが証明できれば、例え粉飾決算になっていようが監査人には責任はありません。
じゃあ、誰が悪いの?という疑問が出てくると思います。
結論から述べると、経営者です。決算報告は経営者の責任です。お金儲けをし、投資者から出資をして貰っているのは経営者ですから、当然その報告を適正にするのは義務です。それが出来ないのは原則全て経営者の責任になります。
経営者主導で粉飾決算を行うことは言うまでもありませんが、例え従業員がそのような動きをしたとしても経営者の責任は追及されます。つまり、日常から不正行為などが行われない、行われたとしてもそれを防止、発見できるような社内管理を行わないといけないということです。またそれは一人で出来るわけでもなく、社員のモラル等も問われるということになります。
つまり、社風を形成することも経営者の重要な役目であり、会社のリスクマネジメントにも繋がります。
実際に監査人の監査行為にも、経営者の協力がないと行うことはできません。資料の提供や、会社の情報を開示してもらわないと監査はできませんし、提供された情報が嘘であれば監査人自体がだまされる場合もあります。
一方で、監査人も報酬は監査先からもらう訳でして、その辺りにも矛盾が生じていますね。監査人も仕事ですから、お金を頂いて監査をするのです。つまり、監査人とって監査先はお客様でもあるわけです。その辺のさじ加減が非常に難しいと思います。監査人もモラルも当然問われる部分も多いです。
ただ、粉飾等々で問題になっている会社ははっきり言えば会社のスタンスとして間違っていることが多いですから、社会にとってはあまりよろしくないことにはなると思います。会社を経営するということは、社会的責任も非常に大きいです。いい加減な形で経営者を決めることは避けたいですね。